昨日、10月31日(日)に松本市の中町・蔵シック館で行われた 松澤結子ギターリサイタル(『ギターの小箱』特別企画)を家内と聴きに行きました。
松澤結子(ゆいこ)さんは、私も参加した8月の蓼科高原ギターサマースクールに受講生として参加され、最終日の受講生発表会で最後に演奏された人です。その演奏が素晴らしかったので、私はびっくりしました。 聴いた後、同じ受講生のKさんに「この人はギターコンクールに出たら優勝するのではないかな?」と話したら、「今年の日本ギター連盟主催『ギター大好きみんな集まれギターコンペティション』青少年の部(16才~22才迄)で優勝した人だ」と言っていました。それを聞いて、私は納得しました。あとでネットで調べたら、彼女は第28回GLC学生ギターコンクール中学生の部第1位、第27回スペインギター音楽コンクール第4位など、コンクールでの優勝や上位入賞の経験が何回もありました。
その後、たまたま「アグアドの会」ホームページを見ていたら、コンサート・イベント情報に今回のコンサートの予定が書いてあり、ソロ・リサイタルなら彼女の演奏をたっぷり聴けるだろうと思って、聴きに行くことにしたものです。
私は松本城には何回か行ったことがありますが、松本市の中心街を歩くのはこれが初めてでした。会場となる蔵シック館のある中町は呉服、塩、肴などの問屋や造り酒屋が昔から軒を連ねていたそうで、 今でも蔵など土蔵造りの建物がたくさん残っていて、お洒落な街でした。
蔵シック館の建物は明治21年に近所に建てられた造り酒屋の建物をここに移築し、平成8年にオープンしたものだそうです。太い、大きな柱や梁がむき出しになった、味のある建物です。
会場は2階の50席ほどのこじんまりとしたホールです。
松澤さんはこの日が初めてのソロ・リサイタルだそうで、演奏合間のトークで、緊張して、指が硬くなっていると話していました。それでも、技術的に高度と思われる曲をずらりと揃え、弾きこなしていました。
彼女の華奢な、可愛らしい容姿から受ける印象とは違って、彼女の演奏は情熱がにじみ出てきて、時に情熱が溢れてきます。奥の深さと、広がりを感じさせる、美しい音色です。グラナドスやアルベニスの作品には彼女の良さが特によく出ているように私には感じられました。
松澤さんは桐朋学園芸術短大を卒業したばかりですが、これからが楽しみな演奏家だと思います。また機会があれば、いずれもう一度彼女のリサイタルを聴いてみたいと思わせてくれました。
<<演奏曲目>>
<第1部>
1.アンダンティーノ ソル作曲
2.プレリュード(BWV995より) バッハ作曲
3.序奏とロンド アグアド作曲
<第2部>
4.タランテラ テデスコ作曲
5.「詩的ワルツ集」より、序奏、第1、3、4、8番 グラナドス作曲
6.マラゲーニャ アルベニス作曲
7.朱色の塔 アルベニス作曲
<アンコール>
8.パスピエ (Passepied) バカリーセ作曲 (Bacarisse)
9.エチュード6番 「夢」 ソル作曲
なお、アンコールの1曲目で弾いた「パスピエ」は超絶技巧を駆使する曲で、ナスシソ・イエペスが弾いていたそうです。YouTubeで探したら、イエペスの演奏がアップされていましたので、下に添付します。
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