第4回蓼科高原ギター・サマースクールの2日目、21日(土)午後に私は2回目の個人レッスンを受けました。今回の先生はアルゼンチン出身のギタリスト、レオナルド・ブラーボ(Leonardo Bravo)氏です。
ブラーボさんは世界各国でも演奏活動を行ってきた名ギタリストです。福岡出身の日本人女性と結婚され、福岡に5年住んでいましたが、1年程前に東京に居を移されました。
ブラーボさんは日本に住んで6年ですが、日本語は流暢で、読むこともかなりできるようで、書くこともある程度できるそうです。ギターもさることながら、これだけの言葉の習得能力にも感心しました。
ブラーボさんには私はヴィラ=ロボス作曲「前奏曲第3番」を指導していただきました。
テンポの取り方、音の強弱の付け方、いかに歌わせるか、など表現方法を中心にアドバイス、指導をいただきました。今回も大変勉強になった40分でした。
このサマースクールでは受講生は3日間の内に2人の講師からレッスンを受けます。田口氏を含め3人の講師は個性も違い、指導する視点、教えるスタイルもちょっとずつ違います。ですから、同じ曲を2人の講師に指導してもらったとしても、いろんな視点、いろんな角度からアドバイス、教示をしてもらえることになり、面白く、大変勉強になります。実際に自分が2人の講師から指導を受けてみて、このサマースクールの趣旨がよく分かった感じがします。
2日目最後に、フラメンコ・ギタリスト、飯ヶ谷守康氏による「フラメンコ入門とクラシックギター音楽の接点」と題する特別講座がありました。
飯ヶ谷氏はフラメンコを実際に弾いて見せてくれました。私はアマチュアのフラメンコ・ギターは時々聴いたことはあるのですが、矢張りプロの演奏は全然違っていて、フラメンコ・ギターの魅力、楽しさを垣間見ることができました。
飯ヶ谷氏のお話の中で、印象に残り、大変参考になったことがあります。それは - - - 飯ヶ谷氏が若い時にスペインに渡って、フラメンコ・ギターの教えを受けていた時に、強い、大きな音を出すために、右手のアポヤンドを早く弾くことを徹底的に教えられた。それも、目に見えないくらいの速さで弾けと言われたそうです。車が一定の距離を走って壁にぶつかる場合、時速30キロよりも時速60キロの方が衝撃が大きくなる。つまり、右手の指で早いスピードで弦をはじいた方が音が大きくなるということです。
これは正にその通りだと思います。大きな音を出すことは、右手の指の強さではなく、指の振りの大きさでもなく、弦をはじく早さだということです。現実に、大きな音を出すために、指の振幅を大きくすることはクラシックギターの場合、無理です。振幅を大きくすれば、他の弦に指が当たったりしますし、早弾きもできません。大きな音を出すためには、指の強さは関係なく、指の振りを速くする訓練をすれば良いわけですので、誰でも訓練次第で可能ということになります。
これはこれから自分が練習する上で大きなヒントになります。
連日の一流プロのレッスン,得られるところが大きいと思います。
フラメンコギターの奏法に関して,私も興味があります。何であんなふうに弾けるのか不思議でした。弾弦の速度については,私は「なるほど」思いました。ようは弦をはじき飛ばすのですね。それにより弦の指離れが良く,さらに速く弾けるのでしょう。弦に触れてからためて離すクラシックギター奏法ではセットが重要でいわば弾弦速度は殆どゼロでもいい訳ですから,まったく違いますね。音質も異なります。戻しの速度などは大いに見習うべきものはあると思います。
投稿情報: Enrique | 2010/08/31 12:29
Enriqueさん、コメントありがとうございます。スペインの流れのクラシックギターは当然ながら、フラメンコギターの影響を大きく受けていますから、フラメンコの演奏技術を知ることはいろいろ参考になりそうです。私の好きなタレガの曲の中には、ラスゲアードなどフラメンコギターの技法を採り入れた楽譜がありますので、直接的に役に立つ部分もありました。
投稿情報: Poran | 2010/08/31 15:40