ギター・ソロ演奏の時にあがりやすい状況、条件はどういうものかを考えると、私は次のような状況の時にあがりやすいと思います。
(1)聴いているお客さんが多い時。特にギターについて詳しい人達、マニアックな人たちが多い場合は更にあがりやすい。
(2)演奏席と客席との間隔が狭い時、近い時。
(3)演奏席と客席が同じ高さにある時。つまり、ステージがない時。
(1)については、聴いてくれる人があまりに少ない時はやはり張り合いがないですが、多い時は意識してしまいます。特に、自分でギターを弾いているような詳しい人が多い時には、誤魔化しがきかないという思いになりますから、一層のプレッシャーになります。
(2)演奏席に客席が近く、迫っている場合には、演奏者の指の動きまでのぞき込まれるような感じで、プレッシャーになります。
(3)ステージがあって、演奏席が客席よりも一段高くなっている方が、客席と隔離している感じがあって、演奏している時に自分の世界に入り込みやすいと思います。
ところで、国分寺のライブハウス「クラスタ」は(1)~(3)の条件を全て満たしています。つまり、「クラスタ」では相当のベテランの演奏者が弾いてもあがりやすいようです。もう1年以上前のことですが、「クラスタ」の“飛び入りフリーコンサート”に参加した時に、そこで初めてお会いしたKさんがJ.S.バッハの曲を素晴らしい技術、音色、表現力で演奏しました。私は感心しました。あとで聞いたところKさんは全日本アマチュアギターコンクールで優勝したことのある人でした。上手いわけでした。Kさんは演奏後私の前の席に座ったので話をしたところ、「今日ほど弾いていて緊張したことはなかった」と言っていました。優勝経験者ですら緊張するのですから、私などがあがって、ガチガチになるのは当然かもしれません。
ですから、私はクラスタできちんと弾けるようになれば、他のどこの場所に行って弾いても大丈夫だろうと考えています。
人前でギターを弾くようになってからは、“自分の家で練習している時に曲が弾けても、そんなものは弾けたことにならない、人前できちんと弾けて初めて弾けたと言えるのだ”ということに私は気が付きました。
アマチュアがギターを弾ける場所が家の比較的近い所にあるということは、私は環境に恵まれているということだと考えますので、せいぜい環境を活用して、いつかは自分の納得するギター演奏ができるようになりたいものです。
ところで、演奏する時にあがるということについては、アマチュア・ギター愛好家の次のブログでも語られています。
*Enriqueさん「クラシカル・ギターを止められない」2009年1月~2月の記事「あがりの克服について」
*「アメリカで開始したクラシックギター」2009年1月16日、19日の記事「コンサート・デビュー体験(14)、(15)」
Poranさん、お久しぶりです。長いご無沙汰の間にランディ君も随分大人っぽくなりましたね。
さて、このシリーズ拝読し、とても参考になりました。私も楽しみにバイオリンを演奏いたします。人前がいつも仕事場でしたが、あがらないことでその世界では羨ましがられておりました。ところがバイオリンを人前で演奏するとなると、自分がどこかに飛んでいってしまい、音は上ずり、曲全体が指先の震えによる「縮緬ビブラート」曲と化してしまいます。後はしばらく自己嫌悪の日々に苛まされるのが常です。
Poranさんの分析で、私にも見えてきたものがたくさんあります。時間をかけて自分に打ち克ってゆこうと勇気を頂きました。有難うございました。
投稿情報: magnifika | 2009/04/06 23:13
magnifikaさん、コメントありがとうございます。帰国後の新しい記事や写真を楽しみにしています。
ところで、趣味や道楽として弾いているだけのギターなのですが、どうしてこんなに緊張したり、あがったりするのか私には未だに不思議なくらいです。しかし、緊張するということはときめいているとも考えられますので、そう考えれば緊張することもある程度はいいことかもしれませんね。
投稿情報: Poran | 2009/04/07 20:01