私は、月刊誌「現代ギター」は興味のある記事がある時に時たま買っているだけですが、ここ数年、1月号は毎年買っています。それは1月号に付録として付いている“ギター名器カレンダー”が欲しいからです。
Amazonのネット通販で購入した「現代ギター」2011年1月号が先日届き、“ギター名器カレンダー2011年”を入手しました。
見ると、3月・4月には私の持っているギターの製作者、中出阪蔵が取り上げられています。
各月に取り上げられているギターは次の通りです。
1月・2月 ~ イグナシオ・フレタⅠ世 <1962年製、スペイン>
3月・4月 ~ 中出 阪蔵 <1985年製、日本>
5月・6月 ~ マルセロ・バルベロ・イーホ <2002年製、スペイン>
7月・8月 ~ アントニオ・マリン・モンテオ <2004年製、スペイン>
9月・10月 ~ 野辺 正二 <2000年製、日本>
11月・12月 ~ フランシスコ・シンプリシオ <1929年製、スペイン>
自分愛用のギターの製作者が取り上げられていると、自分の可愛い子供が再評価されたようで、ちょっと嬉しい気分です。
私が中出阪蔵製作のギターを買った経緯とギターのその後については、2007年11月の二つの記事「 私の愛用のギター」と「私の愛用のギター/その後」に記載しています。
このカレンダー、3月・4月の中出阪蔵の説明には次のように書かれてます。
「日本のクラシックギター製作のパイオニアである。13歳から、宮本金八に弟子入りし、ヴァイオリン制作に携わったが、セゴビアが初来日した1929年以降、本格的なクラシックギターの需要が高まり、十数年間、宮本工房におけるギター部門をまかされた。甘く柔らかい高音が特徴。1993年没。」
これについて、次の通り補足したい。
~~ 日本手工ギター製作界の先人、明治39年(1906)4月1日三重県松坂市生まれ。10代で上京し大正8年ヴァイオリン製作界の先人、宮本金八氏に入門、始めはヴァイオリン製作をめざす。 ・・・・・・ 戦前は細々と努力が続けられていたが戦後しだいにギターが盛んになるにつれギター専業の道に進む。1960年代にはギターブームもあり、中出工房の最盛期となり、最大15人の弟子がいた。1993年87歳で病没。後を継いだ長男・輝明氏、二男・敏彦氏もギター製作者として活躍。門下生には井田英夫、稲葉征司、田中俊彦、星野良充、の各氏がいる。~~
カレンダーの説明には、中出阪蔵のギターは「甘く柔らかい高音が特徴」と述べられています。確かに、人が私のギターを弾くと、 甘く明るい音が出ると言います。しかし、私のギターは低音も良く鳴ってくれます。
日本のクラシックギター界には、プロもアマチュアも、楽器の舶来志向がいまだに残っているように私には思えます。伝統や技術の伝承ということはあるのでしょうが、日本人の頭脳、緻密さ、手先の器用さをもってすれば、日本人製作のギターにレベルの高いものは十分あるはずだと私は前から思っています。日本人製作のギターが更に評価されてしかるべきですし、そうなるだろうと私は思います。
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