8月22日(金)~24日(日)にペンション「ベルクハウスG-CLEF」 で第2回蓼科高原ギター・サマースクールが開催されました。 ベルクハウスG-CLEFは私の山荘から近いので、講演会や公開レッスンの一部を今年も聴講させてもらいました。
8月22日(金)夕方にギタリスト小原聖子女史の講演会がありましたので、聴講しました。
小原聖子さんは今は60歳代も後半と思われますが、私の年代で、クラシックギターの愛好者なら皆知っている人です。若い頃にはちょっとかわいい感じの、アイドル的なギタリストでした。小原さんは、日本のギター界の草分け的存在である小原安正氏の娘で、幼少の時から父よりギターの手ほどきを受けました。17歳の時に来日中の巨匠、ナルシソ・イエペスに認められ、イエペスと共にスペインに渡りました。イエペスの他にも、巨匠、アンドレス・セゴビアとサインス・デ・ラ・マーサにも学び、その頃の3人のギターの巨匠に直接学んだ唯一人の日本人ギタリストと言われています。
そこで、この日のお話のテーマは「3大巨匠から学んだこと、気付いたこと」でした。まず最初に、「皆さんの質問をお受けして、それに答えながら話を進めて行きたい」とのことでしたので、私は次の質問をしました。
Q.「アンドレス・セゴビアは独特の良い音を出しますが、どうしてあのようなとても良い音が出るのでしょうか? 普通の人と何か引き方に違いはあるのでしょうか?」
A.小原聖子さんの回答 「①セゴビアの演奏を近くでよく見ると、弦を抑える左手の指を離す瞬間にちょっと揺らしているように見える。 ②セゴビアは弦を弾く右手の指の力が強い。普通、指の力100%で弦を弾くよりも、50%程度の力で弾いた方が良い音が出る。(つまり、セゴビアは右手の指の力が強いので、50%程度の力でも普通に弾くことができるという事のようです。) ③セゴビアは美しいものを追求しようとする意識・気持ちが強烈である。例えば、セゴビアは美しい女性には非常に関心を示したが、美しくない女性は彼にとってはいないのと同じだった。」
①と②は簡単には真似はできませんが、③には納得します。人は自分がこうしたい、こうなりたいという強い気持ちがなければ、そういう方向には発展しないということは事実だと思います。
その他にも、小原聖子さんからは、巨匠達のギターの練習方法など、面白いエピソードをいろいろ聞くことができました。小原さんはいまだ天真爛漫なところが残っている感じで、楽しく、自分にとっては役に立つ講演会でした。
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