ギタリスト渡辺範彦氏は私と同じ1947年(昭和22年)生まれで、2004年に56歳で肺ガンで亡くなりました。天才肌のギタリストと言われていました。
私は渡辺範彦氏の名前を最近まで知りませんでした。大学生の時には私は毎日のようにクラシックギターを弾いていましたが、卒業して会社に入ると、週末に慰みにギターを弾く程度になり、クラシックギター界の情報からは段々疎くなって行きました。30歳代に入って全くギターを弾かなくなり、50歳代後半になってギターの練習を再開するまで 約25年間全くギターから離れていました。
このため、国内、国外でどのようなクラシック・ギタリストがいるのかも分からなくなっていました。
私が渡辺範彦氏の名前を知ったのは、フランシスコ・タルレガ(あるいはタレガ)作曲の「エンデチャ、オレムス」(Endecha, Oremus)を練習しようとして、参考にするためにYouTubeでこの曲を検索した時でした。YouTube上でヒットした何人かのこの曲の演奏を聴いてみましたが、音楽性、音色共にずば抜けていると思ったのが渡辺範彦氏の演奏でした。そこで、2009年3月26日付の私の記事「F.ターレガ作曲「エンデチャ、オレムス」」にはその渡辺氏の演奏を掲載しまた(下に再度添付)。
(F.タルレガ作曲「エンデチャ、オレムス」 渡辺範彦氏1976年のライブ演奏)
この時はこれで終わっていましたが、先月、やーさんのブログ「アメリカで開始したクラシックギター」の2010年1月4日付記事『ギタードリーム誌(1)』でギタリスト渡辺範彦氏のことが紹介されていました。
やーさんのこの記事を読んだことがきっかけとなって、私は渡辺範彦氏に非常に興味を感じました。私が渡辺氏に興味を持った理由は(1)渡辺氏はこだわりを持ち続ける完全主義者だったらしいこと、(2)私と同じ1947年生まれで、私と同じ時代背景の中を生きてきたこと、の二つです。
(この記事は続きます)
[いいですね]
いい音色ですね。うっとりしています。人柄が感じられます。
私もマンドリンでいい音色を出したい! と願っていますが、
人柄に問題がありそう・・・・・
投稿情報: むさしの釣友会 | 2010/02/11 11:39
むさしの釣友会さん、コメントをありがとうございます。
上記CD「DEBUT! NORIHIKO」に付いている評論家濱田滋郎氏の解説には、渡辺範彦氏は謙虚で、心の綺麗な人だった、と述べられています。確かに、渡辺氏の場合は、その心根が音にも表れているのかもしれませんね。
投稿情報: Poran | 2010/02/11 17:10
学生時代に渡辺範彦が講師を勤めたNHKの「ギターを弾こう」を、テキストを買って1年間見ました。実際にコンサートも見に行った事もあります。
いっぺんでファンになりました。彼が演奏する音はどこか人と違う音色がしたと記憶しています。
投稿情報: スズムシ | 2010/02/11 17:19
スズムシさん、コメントありがとうございます。
スズムシさんは渡辺範彦氏をNHK教育テレビの講師の時代からご存じだったのですね。渡辺氏のコンサートの回数は多くはなかっただろうと思いますが、生の演奏を聴くことができたというのは、いいですね。
私は、今となっては残された数少ないCDを聴くか、YouTubeにアップされたもので聴くのみです。
投稿情報: Poran | 2010/02/11 17:32
奥様の言葉:
2004年春、私たちは「第11回パリ国際ギター・コンクール(1969年)が行われたラジオ・フランス(旧・フランス国営放送)を訪ね、優勝を飾った範彦の録音に出会うこととなりました。その演奏を初めて聴いて心に浮かんだ言葉は、「純粋」「無垢」でした。パリの舞台でひと際輝いた22歳の演奏を残しておきたいと思い、メモリアルCD発売への夢が膨らみました。(渡邊悦子・史彦・恵美理~解説書より)
投稿情報: okanomjp | 2010/05/07 18:30
okanomjpさん、コメントをありがとうございます。
私もこの新しいCDを、発売されてすぐに、発売元の山野楽器からネット通販で購入しました。パリ・ギターコンクール本選の貴重な録音ですね。また、解説書には貴重な記事、メッセージが寄せられています。
今、繰り返しこのCDを聴いていますが、やはり渡辺氏の演奏にはなにか気品がありますね。
投稿情報: Poran | 2010/05/07 21:43