6月12日(金)晩、池袋のGGサロンでの稲垣稔氏のギター・リサイタルを聴きに行きました。
私は稲垣氏のギター個人レッスンを今年になって2回受けています。前回のレッスンの時に稲垣さんから直接前売り券を買ってありました。
稲垣氏は兵庫県明石市在住で、関西では時々リサイタルを開いていますが、関東でのリサイタルは多くありません。ですから、私にとってはこれは貴重な機会です。
会場は満席で、稲垣氏の人気の高さがうかがえました。
一部と三部はソロ、二部は賛助出演した金庸太氏とのデュオでした。金氏は稲垣氏より9歳若いですが、稲垣氏と同じくフランスに留学しています。また、今回使うギターは二人とも、名工イグナシオ・フレタの製作だそうです。デュオは息が合っていて、楽しめました。
一部と三部の稲垣氏のソロでは、美しく、多彩で、表情鮮やかな音色は感動的でした。これだけの綺麗で、多彩な音色は世界のクラシック・ギタリストの中でもトップクラスだと私は思います。
一部からデュオをはさんで、三部に移るに従い、稲垣氏自身も演奏に乗ってきている感じがしました。後半になるに従い、ますます表情豊かに歌わせ、音楽性がほとばしり、聴いていてしびれました。私はクラシックギター・ソロの生演奏を聴いて、今までしびれたことがあったのだろうかと思いました。
私のもう一人の好きな日本人のギタリストは村治佳織です。村治さんの演奏技術は素晴らしいです。しかし、曲を歌わせる力、音楽性については稲垣さんの方が更に良いと私は感じます。
これだけの力量を持った人が関東地区でのリサイタルが少ないのはもったいないです。もっと東京近辺でのリサイタルを増やしてくれたら良いと思います。
≪プログラム≫
【第一部/ソロ】
サラバンド ニ短調〈主題と変奏〉 (ヘンデル)
第7幻想曲Op.30 (ソル)
イギリス組曲Op.31 (デュアート) ~ プレリュード、フォークソング、ラウンドダンス
【第二部/デュオ】 ~ 稲垣氏と金氏
ソナタ イ短調 (ガリェス)
ロシアの想い出Op.63 (ソル)
コルドバ<組曲「スペインの歌」より Op.232-4> (アルベニス)、
タンゴ・エスパニョール Op.164-2 (アルベニス)、
カスティーリャ<スペイン組曲 Op.47より> (アルベニス)、
【第三部/ソロ】
アディオス・ノニーノ (ピアソラ)
タンゴ Op.7 (ヌーニェス)、
二つのメキシコ民謡 ~ 小鳥売りの娘、ラ・アデリータ (アスピス編)
カタロニア奇想曲 Op.165-5 (アルベニス)、
朱色の塔 Op.92-12 (アルベニス)
≪アンコール≫
〈ソロ〉 ラ・ミラネーゼ (クレンジャンス) =稲垣氏のために書かれた曲だそうです。
夢 (A.ラゴヤ) =稲垣氏のフランス留学時代の恩師の曲です。
〈デュオ〉 ミクロピエサス (ブローウェル) 他2曲
〈ソロ〉 美音Mio (佐藤弘和) =佐藤氏が稲垣さんの2歳になる長女美音ちゃんの為に書いた曲だそうです。
最近のコメント